フリーター期間が長いと正社員になれるのか不安になる人は多いのではないでしょうか。結論からいえば、正社員になれます。ただし、フリーター期間が長くなればなるほど、正社員になれる確率は低くなるので注意しましょう。
本記事では、フリーター期間が長い人が正社員になる方法について紹介します。正社員になるために押さえておきたいポイントや、履歴書・面接の対策方法について紹介しますので、参考にしてください。
本記事の結論
・フリーターから正社員を目指すなら3年以内が理想!
・フリーター期間の長い人が正社員へ就職するときに直面しやすい課題は、空白期間の説明とスキルの提示
・フリーター期間の長い人が正社員になるときのポイントは、具体的な数字で説明する、正社員になりたい理由を明確にするなど
フリーター期間の長い人でも正社員になれる!理想は3年以内


参考元:労働政策研究・研修機構(JILPT)|労働政策研究報告書No.213「大都市の若者の就業行動と意識の変容」をもとに転職midが作成
上記のグラフを見てわかるように、4年目以降は正社員になれる割合が大きく下がってしまいます。そのため、フリーターから正社員を目指す場合は、3年以内に行動へ移すように意識してください。
・フリーター期間ごとの就職状況
フリーター期間が1年以内の場合の就職状況
フリーター期間が1年~4年以内の場合の就職状況
フリーター期間が4年以上の場合の就職状況
フリーター期間が1年以内の場合の就職状況
フリーター期間が1年以内の人が正社員として就職できる割合は、約69%と高めです。転職活動の平均期間は3~6か月といわれています。そのため、1年以内であれば、転職活動が少し長引いた程度だと判断し、企業もあまり気にしません。
履歴書や面接で空白期間を問われても、短期間であれば納得してもらいやすく、職歴がなくても大きなマイナスになりにくいです。
特に、卒業後すぐに就職せずフリーターをしていた場合、年齢的にも第二新卒枠での採用を狙える可能性があります。選べる企業の幅が広いうちに積極的に応募しましょう。
フリーター期間が1年~4年以内の場合の就職状況
フリーター期間が1年以上4年未満の場合、正社員になれる割合は約61%です。1年以内の場合に比べてやや下がりますが、低くはありません。
この期間であれば就職活動の準備をしっかり整えることで、十分に正社員を目指すことが可能です。ただし、企業側からは「なぜこれまで正社員にならなかったのか」「この先継続的に働けるのか」などを問われるケースが増えてきます。
そのため、フリーター期間中に得たスキルや経験を積極的にアピールすることが重要です。
フリーター期間が4年以上の場合の就職状況
フリーター期間が4年以上になると、正社員としての就職成功率は約35%まで下がります。4年以上になると割合が大きく下がるため注意が必要です。
企業もフリーター期間の長さに着目するため、採用担当者の不安を払拭できるだけの理由が必要になります。また、年齢が上がるにつれて未経験可の求人が減る点も大きなハードルになります。
諦める必要はありませんが、自分一人の力よりも転職エージェントなどプロのサポートを受けるべきでしょう。
フリーター期間の長い人が正社員へ就職するときに直面しやすい課題

フリーター期間が長い場合、正社員になるためにはいくつかの課題があります。しかし、これらの課題は事前に理解し、正しく準備することで乗り越えられます。直面しやすい課題について詳しく解説します。
・正社員へ就職するときに直面しやすい課題
フリーター期間が長くなるほど空白期間の説明が難しい
正社員としてのスキルや職歴が不足している
長期的な定着を不安視される
フリーター期間が長くなるほど空白期間の説明が難しい
就職活動において、フリーター期間が長い人が最初に直面する課題が「空白期間の説明」です。特に1年以上のフリーター期間がある場合、採用担当者は「なぜその期間、正社員として働かなかったのか?」という疑問を持ちます。
採用担当者が納得いくような明確な理由を説明できなければいけません。
正社員としてのスキルや職歴が不足している
フリーター期間が長い場合、正社員として求められるスキルや職歴が不足していると判断されることがあります。例えば、以下のようなスキルが正社員に必要です。
- コミュニケーション力:上司や同僚などと円滑なやりとりをする力
- 責任力:任された仕事を最後までやり抜く力
- 時間管理能力:業務のスケジュールを守れる力
- 基本的なビジネスマナー:あいさつ、敬語、メールの書き方など
- 基礎的なPCスキル:メール、Word、Excelなど
自己分析スキルを棚卸しして、上記のようなスキルがあるか確かめましょう。上記のようなスキルがないと思っていても、アルバイトでの経験が実際には正社員と共通する業務をしていることもあります。
長期的な定着を不安視される
フリーター期間が長い人に対して、企業が抱くもう一つの大きな懸念がすぐに辞めてしまうのではないかという点です。
新しく人材採用するときには、教育コストや戦力化までの時間を投資しています。そのため、採用したにもかかわらず、短期間で退職されては大きな損失になるのです。
フリーター期間が長いと、正社員として責任を持って働けるのか、継続して働く覚悟があるのか、といった疑問を持たれるでしょう。
フリーター期間の長い人が正社員になるときのポイント

フリーター期間が長くても、正社員になることは十分に可能です。大切なのは、自分の経験や強みをどう伝えるかです。履歴書・面接対策を中心に、企業からの信頼を得るための具体的なポイントを紹介します。
・正社員になるときのポイント
フリーター期間の理由をポジティブに説明する
履歴書に具体的な経験を盛り込む
面接では正社員になりたい理由を明確に伝える
アルバイト経験を職務経験としてアピールする
応募先企業に合わせた志望動機を用意する
ポータブルスキルを強みとして伝える
職務経歴が浅くても活かせる資格を取得する
社会人基礎力を鍛える研修やセミナーを受講する
転職エージェントや就職支援サービスを積極的に活用する
フリーター期間の理由をポジティブに説明する
採用担当者は、なぜ正社員にならずにフリーターを続けていたのかを気にします。フリーターであった期間の理由を曖昧にしたり言い訳がましく話してしまうと、マイナス印象になります。
大切なのは、その期間にどんな意図があり、何をしていたかを前向きに伝えることです。たとえば「家族の介護をしていた」「資格取得の勉強をしていた」など、目的意識がある理由であれば理解を得られやすくなります。
採用担当者が納得するような、ポジティブな理由を説明しましょう。
履歴書に具体的な経験を盛り込む
履歴書では、フリーター期間をただの空白にせず、何をしていたかを具体的に書くことが大切です。アルバイトの仕事内容や期間だけでなく、実績やエピソードを交えて記載しましょう。
たとえアルバイトであっても、信頼されて任された経験や継続力は、十分なアピール材料になります。また、志望職種に関連する内容があれば積極的に書くことで、説得力が高まります。
面接では正社員になりたい理由を明確に伝える
面接では、過去よりもこれからどう働いていきたいかが重視されます。正社員を目指す理由を、自分の将来像と重ねて説明できると好印象です。
生活を安定させたいといった安易な理由ではなく、この仕事に長く取り組みたい、責任のある立場で成長したいなど、前向きな意欲を伝えましょう。また、これまでの経験を通して得た気づきや、働くことへの価値観も言語化できると、より納得感のある面接になります。
アルバイト経験を職務経験としてアピールする
フリーター経験も立派な職務経験と捉えることができます。たとえば、3年以上同じ職場で働いた、後輩指導を任された、クレーム対応をしたといった経験は、ビジネススキルとして評価されます。
履歴書や職務経歴書には、業務内容や成果を具体的に記載しましょう。数字や事例を使って説明すれば、説得力が増します。また、「責任感」「コミュニケーション能力」など、どの職場でも必要とされるスキルと関連づけて書くと効果的です。
応募先企業に合わせた志望動機を用意する
志望動機は、企業ごとにカスタマイズすることが大切です。事業内容、社風、将来性などを調べ、自分の考えや価値観と結びつけて伝えましょう。どこでもいいという印象を避けるためにも、この企業で働きたいと思った具体的な理由を言葉にすることが重要です。
また、自分の目標やキャリアビジョンと絡めて話すことで、企業への本気度が伝わります。
ポータブルスキルを強みとして伝える
テクニカルスキルに自信がなくても、どの企業でも役立つポータブルスキルをアピールすれば、採用の可能性は十分にあります。たとえば「傾聴力」「協調性」「報連相の徹底」「前向きな姿勢」などは、どの職種でも求められる要素です。
アルバイトで身につけたこれらの力を、具体的なエピソードを交えて伝えることで、面接官に好印象を与えられます。スキルの名前だけでなく、どう活かせるかまで話すとより効果的です。
職務経歴が浅くても活かせる資格を取得する
実務経験が少ない場合、資格取得は信頼性のあるスキル証明になります。志望する業界や職種に関連した資格を取得しておくことで、やる気や知識への理解度をアピールできます。
たとえば、事務職であればMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)、販売職であれば販売士資格などが有効です。また、資格の勉強をしていた期間をフリーター期間中の活動として履歴書に記載すれば、空白期間の説明にもつながります。
社会人基礎力を鍛える研修やセミナーを受講する
社会人としての基本スキルに不安がある場合は、就職支援機関が提供する研修やセミナーを積極的に活用しましょう。ハローワークや自治体、NPO法人などが開催する無料の講座では、ビジネスマナーやコミュニケーション、PCスキルなどを学べます。
これらの受講歴を履歴書に記載することで、学ぶ姿勢や成長意欲をアピールできます。また、面接での話題としても使いやすく、実践的なスキル習得にもつながるため、非常に効果的です。
転職エージェントや就職支援サービスを積極的に活用する
フリーターから正社員を目指すうえで、転職エージェントや公的な就職支援サービスの活用は強い味方になります。書類添削や面接対策、求人紹介など、プロのアドバイスを受けながら就職活動を進められる点が大きなメリットです。
特に、フリーター・未経験者向けの支援に特化したサービスもあるため、自分に合ったサポートを受けやすくなっています。孤独になりがちな就活において、第三者の視点は内定獲得への大きな助けとなります。
フリーター期間が長くても正社員になれる!大切なのは戦略と行動力

フリーター期間が長い人でも、ポイントを押さえた就職活動を行えば正社員として採用されるチャンスは十分にあります。特に3年以内での転職を意識して早めに行動することが重要です。
履歴書や面接では、フリーターであった理由を前向きに伝えることが求められます。アルバイト経験を職務経験として活かしたり、ポータブルスキルや取得資格を強みとしてアピールすることで、採用担当者の不安を払拭できるでしょう。
また、社会人基礎力を補うためのセミナーや、転職エージェント・就職支援サービスの活用も、正社員への近道となります。ひとりで悩まず、プロの力を借りながら着実に準備を進めてください。