転職先がなかなか決まらないと焦りや不安が募るものです。転職先が決まらないのには原因があります。条件へのこだわりが強い、企業研究ができていないなど、何が原因かを特定し、対策することです。
本記事では、転職先が決まらない20代がすべきことを紹介します。また、原因や焦りや不安の解消法も解説しますので、参考にしてください。
本記事の結論
・20代で転職先が決まらない原因は、待遇や働き方へのこだわりが強い、転職活動へあてる時間が短い、企業研究が不十分など
・転職先が決まらない20代がすべきことは、自分の強みを明確にする、選択肢を広げる、スキルアップを図るなど
・自分の力で対応できないときは、転職エージェントを利用しよう
転職先が決まらない20代の焦りや不安を解消

転職活動が思うように進まないと、自分だけがうまくいっていないのではと不安になるものです。特に20代は、初めての転職活動で勝手がわからず、焦りを感じやすい時期でもあります。
しかし、転職は一人ひとりの状況によって大きく結果が異なります。活動が長引いているからといって、失敗しているわけではありません。
・焦りや不安を解消するデータ
2025年は売り手市場!有効求人倍率は1.26倍!
就職地によって有効求人倍率が異なる
転職市場の活性化により選択肢が増えている
2025年は売り手市場!有効求人倍率は1.26倍!
厚生労働省が発表した一般職業紹介状況よれば、2025年3月時点での全国平均の有効求人倍率は1.26倍です。これは1人の求職者に対して1.26件の求人がある状態を意味しており、求職者側に有利な「売り手市場」であることがわかります。
有効求人倍率が1.0を超えている状況は、企業が人手不足を背景に積極的な採用を行っている証拠です。また、同月の新規求人倍率は2.32倍と、高い水準を維持しています。
新規求人倍率とは、当月に新たに出された求人と新規求職者数の比率を表すもので、企業が今どれほど積極的に人材を採用しようとしているかがわかる指標です。
参考元:厚生労働省
就職地によって有効求人倍率が異なる
全国的に有効求人倍率が高いとはいえ、地域によってその数値に大きな差があります。たとえば、2025年3月時点のデータでは、福井県(1.84倍)や山口県(1.70倍)のように高倍率の地域がある一方で、大阪府(1.04倍)や北海道(1.07倍)のように、倍率が低めのエリアも存在します。
地域別の有効求人倍率は、以下の通りです。
地域 | 有効求人倍率 |
北海道 | 1.07倍 |
東北 | 1.34倍 |
南関東 | 1.16倍 |
北関東・甲信 | 1.43倍 |
北陸 | 1.58倍 |
東海 | 1.32倍 |
近畿 | 1.14倍 |
中国 | 1.47倍 |
四国 | 1.44倍 |
九州 | 1.12倍 |
各地域の構成はこちらをクリック
北海道(北海道)
東北(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)
南関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)
北関東・甲信(茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県)
北陸(新潟県、富山県、石川県、福井県)
東海(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)
近畿(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)
中国(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)
四国(徳島県、香川県、愛媛県、高知県)
九州(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)
もし現在の地域でなかなか決まらないと感じているなら、有効求人倍率の高い地域の求人にも目を向けてみましょう。
転職市場の活性化により選択肢が増えている
近年の転職市場は活発化しています。これは単に転職者が増えているというわけではなく、企業側が幅広い人材を柔軟に受け入れ始めているという点が大きな特徴です。実際、20代を対象とした未経験OKの求人や、ポテンシャル採用を行う企業は年々増加しています。

出典:総務省統計局|労働調査
企業は人材不足への対応として、年齢や職歴だけでなく、意欲や成長性を重視した採用にシフトしつつあります。そのため、これまで応募をためらっていた職種や業界にもチャレンジしやすい環境が整いつつあるのです。
転職先が決まらない20代がすべき7つのこと

20代で転職がうまくいかないと、不安や焦りを感じる方も多いでしょう。大切なのは、自己分析や選択肢の広げ方、書類や面接対策など、基礎を一つずつ丁寧に進めることです。転職先が決まらず悩んでいる20代に向けて、実践すべき7つの具体的な行動を解説します。
・20代がすべき7つのこと
自己分析で強み・価値観・転職理由を明確にする
選択肢の幅を広げる
履歴書・職務経歴書を見直す
志望動機と自己PRをブラッシュアップする
スキルアップや資格取得で市場価値を高める
転職エージェントやキャリア相談を活用する
心のケアも忘れずに行う
自己分析で強み・価値観・転職理由を明確にする
転職先が決まらない20代が最初にすべきことは、自己分析の見直しです。強みやスキルを明確にすることで、自分に合った職種や業界を見つけやすくなります。また、価値観を把握しておくと、社風との相性や働きやすさの判断に役立ちます。
例えば「安定性を重視したい」「自分らしく働ける職場を求めたい」といった希望がある場合、求人選びにも迷いが減るでしょう。そして、なぜ転職を考えたのかという理由も明確にしておくことが大切です。
前職に対する不満や将来への不安を掘り下げることで、自分が次の職場に求める環境や条件が見えてきます。
選択肢の幅を広げる
転職がうまくいかない20代の多くは、希望条件を狭めすぎている可能性があります。例えば「営業職のみ」「年収○万円以上」「都心勤務限定」といった制限を設けていると、応募できる求人数が減ってしまいます。
譲れない条件を決めて、それ以外の条件は設定せずに求人募集を探してみましょう。視野を広げることで、これまで検討してこなかった仕事にも魅力を感じることがあります。自分の将来を長期的に考えたうえで、あえて新しい分野に挑戦するのも一つの手段です。
履歴書・職務経歴書を見直す
書類選考をなかなか通過できない場合は、履歴書や職務経歴書の内容に問題があるかもしれません。志望動機が抽象的だったり、自己PRが成果ベースで書かれていなかったりすると、企業の目に留まりにくくなります。
職務経歴書では、これまでの経験を具体的な数字や事例を交えて伝えることが重要です。また、誤字脱字があると基本的なビジネスマナーを疑われてしまいます。最新のテンプレートを活用し、丁寧に仕上げることを心がけましょう。
また、どう見直せばいいのかわからないときは、転職エージェントを活用することをおすすめします。
志望動機と自己PRをブラッシュアップする
面接での評価を大きく左右するのが、志望動機と自己PRです。志望動機が弱いと、どれだけスキルがあっても選考を突破するのは難しくなります。志望動機は「その企業でなければならない理由」を明確に伝えることが大切です。
企業理念や事業内容と自分の価値観や経験を関連づけて語ると、説得力が増します。自己PRでは、これまでの実績や得意分野を具体的に説明し、転職先でどう貢献できるかをアピールすることがポイントです。
スキルアップや資格取得で市場価値を高める
応募しても不採用が続く場合、スキル不足が一因になっているケースもあります。特に未経験職種への転職を目指す場合、関連する資格や基礎知識を身につけておくと、採用担当者からの評価が変わってきます。たとえば、IT業界を志望しているなら、プログラミングや基本情報技術者などの学習を進めておくと有利です。
また、今の職場でできる範囲での業務改善やリーダー経験も、立派なスキルアップになります。
転職エージェントやキャリア相談を活用する
一人で転職活動を進めていると、情報不足や判断ミスに陥りやすくなります。そんなときは、転職エージェントやキャリア相談サービスの活用がおすすめです。プロのアドバイザーが自分に合った求人を紹介してくれるほか、書類の添削や面接対策のサポートも受けられます。
また、求人票だけではわからない職場の雰囲気や残業の実態など、内部情報を知ることも可能です。自分の希望条件や悩みを第三者に話すだけでも、気持ちが整理され、転職の方向性が明確になることがあります。無料で利用できるサービスも多く、複数登録して比較検討するのも効果的です。
心のケアも忘れずに行う
転職活動が長引くと、どうしても焦りや不安に襲われがちです。特に20代は周囲と比較しやすく、自分だけ決まらないと感じてしまう人も少なくありません。しかし、過度なプレッシャーは判断力を鈍らせ、結果的にミスマッチな職場を選んでしまう原因にもなります。
ときには転職から一旦離れて、リフレッシュの時間を設けることも大切です。十分な睡眠や食事、趣味の時間を確保することで、心身のバランスが整います。自分を責めすぎず、ペースを保ちながら活動を続けていくことを意識しましょう。
転職先が決まらない20代によくある原因

転職先が決まらないのは必ず原因があります。なぜ決まらないのか原因を理解して、対策することが重要です。転職先が決まらない20代によくある原因を見ていきましょう。
・20代によくある原因
待遇や働き方へのこだわりが強すぎる
転職活動に十分な時間を確保できていない
企業研究ができていない
社会人経験が浅く即戦力として見なされにくい
第二新卒に過信しすぎて対策が甘くなる
待遇や働き方へのこだわりが強すぎる
20代の転職先が決まらない原因は、待遇や働き方に対するこだわりが強すぎることです。特に、初めての転職では「前職より年収を上げたい」「リモートワークがある会社がいい」「定時で帰れる職場がいい」など、希望条件を多く持ちすぎてしまいがちです。
もちろん希望を持つこと自体は悪いことではありませんが、条件に合致する企業は限定されるため、応募先が少なくなってしまいます。また、自分の市場価値と釣り合わない条件を設定してしまうケースも見られます。
実務経験が少ない20代の段階で過度な好待遇を求めてしまうと、企業側からの評価と大きくズレが生じてしまい、選考に進めない結果となることも珍しくありません。
転職活動に十分な時間を確保できていない
転職先が決まらない原因として、転職活動にかける時間が不足していることも挙げられます。20代の場合、現職での業務が忙しかったり、私生活とのバランスを取りながら転職活動を進めたりしているケースが多く見受けられます。
その結果、応募企業の選定や書類の作成、面接準備などに十分な時間を取れず、行き当たりばったりの進め方になってしまうことが多いです。
企業側は迅速な対応を求めているため、レスポンスが遅いと選考の途中で見送られるリスクも高まります。また、自己分析やキャリアの棚卸しが不十分なまま転職活動を始めると、面接でうまく受け答えができず、選考に落ちてしまう原因にもつながります。
転職活動を効率よく進めるには、転職エージェントの活用がおすすめです。面接対策や選考書類の添削などをサポートしてもらえるので作業負担が軽減できます。
企業研究ができていない
初めての転職では、企業の情報収集が十分に行われず、表面的な理解で応募してしまうケースが少なくありません。求人票や企業サイトだけを見て応募を決めてしまい、具体的な事業内容や求められるスキル、社風についての理解が浅いまま選考に臨んでしまうことがあります。
結果として、面接で志望動機に説得力がなくなったり、企業とのミスマッチを起こしてしまったりするのです。企業側は、自社に合った人材かどうかを見極めるために、応募者がどれだけ自社を理解しているかを重視します。そのため、企業研究が甘いと評価につながりません。
社会人経験が浅く即戦力として見なされにくい
新卒入社からわずか数年で転職を考える場合、企業側から即戦力としての期待されにくくなります。中途採用では、一般的に採用後すぐに戦力として活躍できる人材を求めています。ただし、新卒3年以内であればポテンシャル採用も可能です。
成果を出した実績や明確なスキルを持っていない場合、他の応募者との比較で不利になりやすいのが現実です。また、企業はビジネスマナーやコミュニケーション能力など、社会人としての基本的なスキルがあるかも見ています。
社会人経験が浅いこと自体は仕方のないことですが、経験値の低さが目立ってしまうと、企業から選ばれにくくなる要因となります。
第二新卒に過信しすぎて対策が甘くなる
20代前半の転職希望者の中には、「第二新卒だから転職しやすい」というイメージを持ちすぎてしまい、転職活動への準備が甘くなるケースが見られます。確かに第二新卒はポテンシャルや柔軟性が評価されやすい枠ではありますが、書類の質や面接対策が疎かになると、選考で落ちやすいです。
特にやる気や若さだけで通用すると思い込んでしまうと、企業からの評価にギャップが生まれやすくなります。また、早期離職をしている場合は、「またすぐ辞めるのでは」といった懸念を持たれやすいため、丁寧な準備や根拠のあるアピールが重要です。
転職先が決まらない20代に関するよくある質問

転職先が決まらない20代に関するよくある質問を紹介します。
20代で転職先が決まらないのはスピリチュアルが関係している?
20代で転職先が決まらないのは不安で辛い!乗り越え方は?
転職先が決まらない20代はどんな人?特徴は?
20代で転職先が決まらないまま退職しても大丈夫?
20代で転職先が決まらないのはスピリチュアルが関係している?
転職先が決まらない理由をスピリチュアルに結びつける人は少なくありません。タイミングが合っていない、ご縁がまだ来ていないなど、見えない力の存在を信じることで気持ちが少し楽になります。
ただし、スピリチュアルに頼りすぎると対策ができておらず、選考を突破できない可能性が高まるので注意が必要です。前向きに心を整えるための一つの捉え方として、バランスよく取り入れましょう。
20代で転職先が決まらないのは不安で辛い!乗り越え方は?
転職活動が長引くと、自己否定や将来への不安が募ってしまいがちです。特に20代は「周囲は順調なのに、自分だけが停滞している」と感じやすい時期です。気持ちが沈んでいるときは、一度立ち止まって現状を整理しましょう。
自分の努力不足ではなく、タイミングや相性の問題である場合も少なくありません。また、信頼できる人に話を聞いてもらうことでも心が軽くなるものです。
転職先が決まらない20代はどんな人?特徴は?
転職先が決まらない人は、自己分析が不十分で、自分の強みや適性が伝えきれていない人です。また、志望動機や企業研究が浅く、面接で印象を残せない人も多く見られます。
さらに、待遇や条件にこだわりすぎて、応募先の幅が狭くなっている人もいます。
20代で転職先が決まらないまま退職しても大丈夫?
20代で転職先が決まらないまま退職することには、一定のリスクがあります。ブランクが長引くと、採用担当者から計画性がないと受け取られる可能性があるためです。また、収入が途絶えることで生活への不安も大きくなります。
しかし、心身の限界を感じていたり、働きながらの転職活動が難しい場合には、先に退職するという選択も必要です。その際は、退職後のスケジュールや資金面をしっかりと整えたうえで行動することが重要です。
20代で転職先が決まらなくても焦らなくていい

20代で転職先が決まらないと、不安や焦りが募り、自信を失いかけてしまうこともあります。転職先が決まらない原因は、自己分析の浅さや企業研究不足、社会人経験の少なさなど、さまざまです。
20代は可能性に満ちています。ポテンシャル採用や未経験分野への挑戦など、視野を広げながら転職活動を行いましょう。履歴書や職務経歴書を見直し、必要に応じて転職エージェントの力を借りることが大切です。